旅の本

読んだら、旅したくなる本。

羊をめぐる冒険 村上春樹

村上春樹の小説では、登場人物たちが何らかの旅をすることが多い。

”羊をめぐる冒険”の主人公は美しい耳の彼女と

星型の斑紋を背中に持つという一頭の羊の行方を

探して北海道の奥地へと旅する。

旅立つ動機は不思議なものだが、妙にリアリティがある。

旅の準備や旅の行程も詳細に描かれ、

そんな場面が楽しい。

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暗夜行路 志賀直哉

 旅には、楽しい気分で出発するものと、
陰鬱な気持ちで出発するものがある。
できれば、前者でありたいものですが、
”暗夜行路”の旅は後者。
主人公の謙作は自分の出生の理由、
妻の不貞、子どもの死に心を痛め、
彼の住む東京から2度、旅に出る。
1度目は広島の尾道へ、2度目は山陰地方へ。
悩みを抱えた人間の目にも、
旅の美しい景色は等しく映る。
以下は、謙作が尾道に到着する時の描写。

ー塩屋、舞子の海岸は美しかった。
夕映を写した夕なぎの海に、岸近く小舟で軽く揺られながら、
あぐらをかいて、網をつくろっている船頭がある。
白い砂浜の松の根から長く網を延ばして、
もう夜泊まりの支度をしている漁船がある。
謙作は楽しい気持ちでこれらを眺めていた。
そして汽車が進むに従って夜が近づいた。

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食いものの恨み 島田雅彦

「食いものの恨み」には
”旅情の半分は舌で感ずるものだ。”
と、ある。
深く同意!
世界中のディープな食べ物をテーマにした本ですが、
同時に旅の本でもある。
ぼくも、旅に出たら、できるだけ
観光客がおらず、地元の人たちで
賑わうような店ばかり探してしまう。

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10年目のセンチメンタルな旅 荒木経惟+陽子

天才写真家アラーキーと奥様・陽子さんの
フランス、スペイン二人旅。
陽子さんの等身大で軽妙な語り口が
ヨーロッパを生き生きと描く。
アラーキーのモノクロ写真に
つけられたキャプションも
ユーモラスでページをめくるほどに
旅に出たくなる。

オーパ! 開高健

何かの事情があって
野外へ出られない人、
海外へいけない人、
鳥獣虫魚の話の好きな人、
人間や議論に絶望した人、
雨の日の釣師・・・
すべて
書斎にいるときの
私に似た人たちのために
ーと、冒頭にある。

世界を旅するオーパシリーズ。
アラスカ篇、カナダ篇、スリランカ篇、
モンゴル篇などありますが、
ブラジル篇がもっともワクワクする。
大河アマゾンの魚を釣りまくる、
そして食べることにも妥協しない。
切れ味よく、リズム感の小気味良い開高健の文章も
楽しいが、南米大陸の極彩色の動植物、大自然の
写真も多数掲載。
読まなくても、
パラパラとページを繰るだけで
旅気分に酔うこと間違いない。

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